こんにちは。首都圏からいわき市湯本に移住して1年半が経った筆者です。
東京近郊のベッドタウン(千葉や埼玉、神奈川など)に住んでいると、エンターテインメントに関してはある「思い込み」が生まれがちです。
「ドーム球場や大型ホールがある東京に行けば、いつでも一流のライブやイベントがある。だから首都圏が一番便利だ」と。
確かにそうなのですが、首都圏でイベントに行くには、裏側でかなりのストレスを支払っています。まず、車で都心に向かうこと自体が渋滞や駐車場代の面で無謀です。電車を使う場合、休日であれば行きは比較的空いていて、座って優雅に向かえるかもしれません。
しかし、本当に「うんざり」するのはイベント終了後です。会場から一気に人が溢れ出し、最寄り駅にたどり着くまで全く前に進まない大混雑。例えるなら、あの「隅田川花火大会」の帰り道の絶望感に近いものがあります。あの人波に揉まれ、ぐったりして家に帰るエネルギーは相当なものです。
ところが、いわき市に暮らし始めて気づきました。 ここは、あの凄まじい混雑のストレスとは無縁のまま、日常のすぐそばで様々なイベントを気軽に楽しめる、実はとてもフットワークの軽い街だったのです。
情報源は「FMいわき」。ふらっと出かける地元の賑わい
私がいわきで地元のイベントを知るきっかけは、街のパンフレットのほか、コミュニティラジオの「FMいわき」が大きな情報源になっています。ラジオから流れてくる楽しそうな街の話題を耳にして、「よし、今日あそこに行ってみようか」とふらっと出かけるのが、今の私のお気に入りの過ごし方です。
いわき市の文化の象徴である「いわき芸術文化交流館アリオス」では、ひっきりなしに全国区の有名アーティストのコンサートや、本格的な寄席、お笑い芸人のステージが繰り広げられています。もちろん、こうした有名アーティストの公演ほど前もってチケットが完売してしまうことが多いため、当日の気分次第でというわけにはいきませんが、「一流のエンタメがすぐ近くのホールにやってくる」という事実だけで、街の文化的ポテンシャルの高さを感じます。
一方で、当日の気分でふらっと行って楽しめるのが、各地域で開催されるアットホームな手作りの賑わいです。
例えば、久之浜地区で定期的に開かれている「キララマルシェ」。キッチンカーが集まり、地元の人たちの笑顔であふれる、とても温かい空間が広がっています。
さらに驚いたのは、東京では自治会の衰退などからすっかり廃れかけてしまっている「地域の盆踊り」のような伝統行事が、いわきでは今でもしっかりと息づいて、地域を盛り上げていることです。大企業が仕掛けた大掛かりなイベントとは違う、暮らしに根ざした生のエネルギーを肌で感じることができます。
「駅の混雑」とは無縁の、圧倒的な快適さ
そして、移住して1年半が経つ私が日々実感している最大のメリットは、イベントを楽しむための「移動の楽さ」です。
なにより、移動は「自家用車ほぼ一択」の車社会です。イベント自体が深夜まで長引くこともありませんし、帰りの電車の時間を気にしてハラハラする必要は一切ありません。あの嫌な「終了後の駅の大混雑」に巻き込まれることもなく、快適なマイカーのプライベート空間のまま、余韻に浸りながらサクッと自宅へ帰ってこられるのです。
ただし、これには一つだけ例外があります。それが、夏に開催される「いわきのお祭り」です。この時ばかりは観光客も大勢集まり、街中が凄まじい熱気でごった返すため、さすがに東京さながらの混雑が発生します。しかし、それも年に一度の特別な季節の風物詩。それ以外の日常的なイベントであれば、あの都会のような移動のストレスを感じることはまずありません。
「駐車場難民」にならない、この街のキャパシティ
「車で行くのはいいけれど、駐車場に困るのでは?」という心配も不要です。
いわき市は、中心街であっても十分な数の駐車場が完備されています。以前の過去記事でも触れましたが、いわき市の中心街を走っていて気づくのは、「路肩への違法駐車がほとんどない」ということです。これは裏を返せば、それだけ車を停めるための正規の場所が、街のあちこちにしっかりと用意されている証拠でもあります。
中心街から少し離れた小さな美術館や地域のイベントスペースであっても、大抵は専用の駐車場がちゃんと用意されています。東京のように「目的地に着いたのに、周囲のコインパーキングがすべて満車で絶望する」という、あの無駄な時間とストレスは皆無なのです。
おわりに:贅沢な時間を、日常の延長線上で
前もって楽しみにチケットを買っておいたアリオスの公演へ向かうとき。あるいは週末、FMいわきを聴きながら「今日久之浜でマルシェをやっているな」とふらっと思いついたとき。
お気に入りの音楽をカーステレオで流しながら、渋滞のない道をドライブし、完備された駐車場に車を停めて、至近距離でエンタメや地域の温かい賑わいに触れる。
都会にいた頃、あんなに気合いを入れて、体力をすり減らして行っていた「イベント」が、いわき市では「ちょっとそこまで」という驚くほど身近な日常の延長線上にあります。
このストレスフリーなフットワークの軽さこそが、暮らしの満足度を底上げしてくれる、いわき暮らしの隠れたリアルなのです。

