最近、多くの地方自治体が移住者を受け入れるために、独自の相談窓口を開設する例が増えています。
では、そのような相談窓口では何を相談すれば良いのでしょうか。また、どのような支援を受けられるのでしょうか。
今回の記事では、具体的な移住相談窓口でのやり取りや、実際にどのようなアドバイスが受けられるかを詳細にお伝えします。
ぜひ、みなさんの移住活動の参考にしてみてください。
現地に行けなくても大丈夫!YouTubeでの移住情報収集
2024年5月12日、私たちは半日の弾丸訪問でいわき市の湯本地区を訪れました。
それ以来「移住」という出来事が、私たちの日常生活の延長線上にある、当たり前の選択肢として感じられるようになっていました。
その翌月の6月は、妻の予定があり現地訪問が難しかったため、現地訪問は断念せざるを得ませんでした。
それならば、現地に行けなくてもできる情報収集として、YouTubeが便利だと考え、いわき市に関する移住情報を発信しているチャンネルを探してみました。
すると見つかりました。『いわき い〜住 チャンネル』という、いわき市の移住情報を提供する、IWAKIふるさと誘致センターの公式チャンネルです。
その中で私たちが選んだ動画は、「『地方(いなか)』で起業を夢見るあなた、いわきでその『夢』叶えませんか?」というもの(本編は再生開始後約10分の位置より)。
動画の内容は以下のポイントが中心でした
- 福島県やいわき市が提供する移住支援制度の概要
- いわき市で実際に移住を成功させた事例
- 移住者たちの体験談や、いわき市での生活に関するトーク
ただ、この動画のトークの中で気になったコメントがひとつだけありました。
私の住んでいるところは田舎ですから、独自のルールがあります。後から入ってくる者が、そのルールを無視しちゃうと煙たがられることもあるかなーと…
このコメントは「起業や新たな活動を行う場合」という限定されたトークセッション内のもので、移住に関するあらゆるものごとを指す意図ではないことが、はっきりとわかる場面だったことを強調しておきます。
しかし、移住生活全般に当てはまることだとしても、これは私たち移住希望者が必ず肝に銘じておかなければならないことです。
もちろん私たちは現地のルールに従うつもりですが、悪気なく行った発言や行動が誤解されてトラブルにつながるかもしれないと考えると、不安になる方もいらっしゃるかもしれないですね。
そんな心配をお持ちの方は、「二段階移住」という方法も検討してみるとよいでしょう。
さて、動画全編を見終わった後の印象としては、いわき地方への移住情報や、福島県やいわき市が行っている移住者支援について、十分満足な情報量がある動画でした。
東京事務所への相談準備 – 成功する移住計画のために
移住に向けた情報収集を進める中で、妻が「有楽町に福島県の移住相談窓口があるみたいだよ!」と教えてくれました。
私はすぐに福島県の移住支援サイトを確認しました。
そこで、「認定NPO法人ふるさと回帰支援センター」内に福島県ブースあり、相談には予約が必要だとわかりました。
認定NPO法人ふるさと回帰支援センターのサイトには、その所在地や対応時間、予約方法などが詳しく掲載されていました。
この情報を基に、すぐに電話で予約を取り、相談日を2024年6月20日の午後に決定しました。
この、ふるさと回帰支援センターには全都道府県の相談ブースが揃っています。リンクも貼っておきますので、興味のある方はぜひご覧ください。
さて、予約は完了しましたが、「何を相談すればいいのか分からない」というのも正直なところ。
そこで、相談に向けて事前にメモを作成し、以下の3つのポイントに絞って質問内容をまとめました
- IWAKIふるさと誘致センター(現地窓口)への相談は、いつから始めるべきか?
- 移住のスケジュールにはどんな項目を盛り込むべきか?
- 先輩移住者に話を聞いた方が良いか?接点の作り方は?
一番目は、現地窓口へのファーストアクセスがどれくらい前から必要なのか、スケジュール感を知りたかったからです。二番目と三番目は、現地住民の方々との交流など、通常の引越し以外に必要な項目があるのかを知りたかったこと。あるとすればどのように準備したらよいかを知りたかったためです。
その他のネットで収集可能な情報はあらかじめ調べておくなどの事前準備をしっかりと行い、いよいよ相談当日に臨むことになりました。
福島県移住相談当日 – つながりとアドバイスを得た1時間
2024年6月20日、私たちは東京・有楽町にある「東京交通会館」へと向かいました。
このビルの1階は商業施設で賑わっていますが、エレベーターで8階に上がると、静かな雰囲気に包まれた「NPO法人ふるさと回帰支援センター」がありました。
フロア全体の雰囲気は落ち着いており、移住相談にふさわしい環境です。
受付で名前を告げると、スタッフが福島県の相談ブースまで案内してくれました。
広々としたフロアの一角に位置する福島県ブースで、笑顔で迎えてくれたのは福島県庁から派遣された相談員の方。柔らかい雰囲気で、すぐに安心感を覚えました。
まずは福島県の特徴や気候、移住支援制度についての簡単な説明から始まりました。
相談員の方は私たちの質問にも親切丁寧に答えてくれ、具体的なアドバイスをたくさん頂くことができました。
準備していた質問は以下の3つです:
・IWAKIふるさと誘致センター(現地窓口)への相談開始時期について
相談員の方のアドバイスによると、現地窓口への相談はできるだけ早く始めることが推奨されるそうです。特に現地側の受け入れ体制の関係で、早めの連絡が重要とのことでした。
・移住のスケジュールに盛り込むべき項目について
現地で開催される移住支援イベントや、お試し移住制度の利用を計画に盛り込むことを勧められました。また、転職が必要な場合は、現地での就職活動も早めに検討すべきとのことです。
・先輩移住者との接点の作り方について
福島県では「ふくしまぐらし」というサイトで移住者コーディネーターの紹介が行われているとのことです。
相談員の方は、いわき担当の移住コーディネーターさんに連絡を取り次ぐことを提案してくれました。
これにより、私たちは現地でのネットワークを早い段階で築けることになり、大きな安心感を得ました。
こうして、1時間弱の相談は無事終了しました。
福島県の移住制度についての詳しい説明と、実際の行動につなげるための具体的なアドバイスをたくさんいただき、私たちは自信を持って次のステップに進めることを確信しました。
帰り道、私たちはいただいた資料を手にしながら、福島県での新しい生活が少しずつ現実味を帯びてきたことを実感していました。
そのとき、信号待ちをしていた交差点で私たちの前を偶然横切ったのは、いわきのバス会社、新常磐交通の高速バス。いわき市での生活が、より明確に見え始めた瞬間でした。
まとめ-住相談の成果と福島県移住に向けた具体的なアクション
Mutimaro – 投稿者自身による著作物, CC 表示-継承 3.0, リンクによる
移住を考える際、相談窓口を活用することは非常に有益な方法です。
移住をしようとする人の数だけ異なるニーズや条件があるため、個別のアドバイスを受けられる機会は貴重です。
私たちも今回の相談を通じて、今後の具体的なスケジュールや現地でのサポートについて明確なビジョンを持つことができました。
特に現地とのつながりを持つことの重要性を実感しました。
福島県職員である移住コーディネーターさんとつながりができれば、今後の移住計画も安心して進められます。
移住後に困ったことがあれば、すぐにサポートを受けられるネットワークがあるというのは、大きな安心材料です。
移住プロセスは決して簡単なことではありませんが、移住相談窓口を通じて得た情報や人とのつながりは、私たちにとって大きな力となりました。
これから移住を検討している皆さんも、ぜひ相談窓口を活用して、現地でのサポートや具体的なアドバイスを得ることをお勧めします。
行動を起こすことで、きっと道は開けるはずです。