【移住1年半の本音】東京の番組が絶賛!全国でバズった福島ローカルの「単純なサイコロゲーム」に、大人の私たちが本気で叫ぶ理由

いわき暮らしのリアル
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こんにちは。首都圏からいわき市湯本に移住して1年半が経った筆者です。

この記事を書いているまさに昨日(6月17日)、日本テレビ系列で全国のローカル局のアナウンサーが一堂に会する特番が放送されました。そこで、東京の一流タレントたちやスタジオが大爆笑し、SNSでも「エグすぎる」「面白すぎる」と大きな話題になってバズった「あるゲーム」があります。

そのバズったものとは一体何か?

実は、福島中央テレビ(FCT)の夕方の情報番組『ゴジてれChu!』で長年愛されている、たった一つの名物コーナー。その名も「どきどきサイコロゲーム」です。番組では、福島の小野紗由利アナウンサーがこのコーナーを紹介し、全国の視聴者を釘付けにしました。

東京近郊のベッドタウンに住んでいた頃、我が家ではテレビをつける時間がすっかり減っていました。どこを回しても同じような「食レポ」と「事件」、そしてバラエティ番組を開けば、お決まりの「ひな壇芸人」たちが大勢で並んで内輪ウケのトークで騒いでいる……。お金をかけて洗練されてはいるのでしょうが、そんなマンネリ番組にすっかりうんざりしていたのです。

そんな私たちが、移住先のいわき市で、ただ視聴者と電話を繋いでサイコロを振るだけの「超単純なローカルコーナー」に、今ではどっぷりと沼にはまっています。

単純なのに目が離せない「4つのドキドキ」

東京のキー局が大金とひな壇芸人を集めて作る番組から見れば、非常にレベルが低く、単純なコーナーに見えるかもしれません。しかし、そのシンプルさの中にこそ、今の東京のテレビ局が完全に失ってしまった極上の人間ドラマと、ハラハラする「4つの波」が隠されています。

第1の波:そもそも電話に出るか? せっかく生放送中に当選して電話がかかっているのに、全然出ない視聴者がいます。「早く出て!」と、この時点でテレビの前の私たちはすっかり前のめりです。

第2の波:ここでやめるか、続けるか? 1回戦をクリアするごとに、手堅く「ここでやめます」と今貰える賞品(グルメセットや旅館宿泊券など)を確定させて降りるか、次へ進むかの選択を迫られます。まれに手堅く辞める人もいますが、大抵の人は人間の欲が出て「続けます!」と宣言します。

第3の波:サイコロキングのロマン 3回戦をすべて勝ち抜けば「サイコロキング」の称号と共に、キャリーオーバーで積み上がった商品券が手に入ります。

第4の波:運命のサイコロ一振り 挑戦者が「上!」か「下!」かを選んだあと、あの独特なBGMと共にアナウンサーがサイコロを投げます。スタジオのカメラがサイコロをアップで映し出し、コロンと止まるまでのわずか数秒間。この瞬間こそが、テレビの前で息を呑む最大のドキドキです。

そして、このゲームを全国放送でタレントたちが大騒ぎするほど狂わせている最大の理由が、次の「非情なローカルルール」です。

勝率100%は存在しない「非情な確率の罠」

このゲームは、直前の勝負で出たサイコロの目が、そのまま次の勝負の「基準の目」になります。そして、「次のサイコロで、その基準と『同じ目』が出たらその時点で即アウト」という恐ろしいローカルルールが設定されています。

この「前の結果が次の基準になる」というシステムが、ゲームのヒートアップ具合を異次元のレベルに押し上げています。

例えば、1回戦のサイコロがコロンと転がり、見事にクリアしたとします。しかし、その止まった目が「3」や「4」だった瞬間、テレビの前の私たちは「あちゃー!次きついぞ!」と頭を抱えます。真ん中の数字が基準になると、次が上か下かの勝率はほぼ五分五分のギャンブルになってしまうからです。

逆に、止まった目が「1」や「6」だった瞬間、リビングのボルテージは最高潮に達します。「よし!『1』が来た!これは次ももらった!」と。 基準が「1」なら、「上」と答えれば、次は「2・3・4・5・6」が出れば勝ち。勝率は最高の「6分の5(約83.3%)」まで跳ね上がります。

しかし、普通なら100%勝てるはずのこの状況でも、「同じ1が出たら即死」というルールのせいで、必ず「6分の1」の絶望が背後にへばりついています。

この「出目一つで天国と地獄が入れ替わるヒリつき」があるからこそ、3回戦目の最終決戦で、あと一歩でサイコロキングという時にまさかの「同じ目」が出てすべてを失う挑戦者が出た瞬間、我が家のリビングでは「あぁーーっ!!なんでそこでその目が出るの!!」と、夫婦揃って大絶叫してしまうのです。

おわりに:失われた「古き良き時代」がここにある

見ず知らずの、どこに住んでいるかもわからない同じ県民のサイコロ一振り(サイコロ自体はスタジオでアナウンサーが投げます)に、大の大人がテレビの前で本気で一喜一憂し、まるで自分事のように喜んだり、がっくりしたりしている。

ふと我に返ると、これはなんだかとても贅沢で、豊かな時間だなと思うのです。

昭和から平成初期にかけて、お茶の間に家族が集まり、テレビの前の出来事にみんなで熱狂したあの熱量。何もかもが最新で、ひな壇番組のようにスマートにパッケージ化されていく東京が失ってしまった「古き良き時代」のテレビの姿が、ここ福島の夕方にはしっかりと生きています。

最新のエンタメだけを追いかけたい人には向いていないかもしれません。でも、都会の冷めたテレビに退屈し、あの頃のお茶の間の温かい一体感を取り戻したいと思う人にとって、いわきでの暮らしは最高に心地よい「特等席」になるはずです。

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