以前このブログでもご紹介した、「来てふくしま体験住宅提供事業」。
これは移住希望者に対して一定の条件付きで安価に福島県での滞在体験ができる、という制度です。
これには県営団地が利用されていますが、どのようなところなのでしょうか?
私たちの体験をもとに、一部をご紹介します。
ようやく鍵を受け取る
来てふくしま体験住宅提供事業の利用申請が無事に許可され、利用料を納付した私たちは、2024年11月15日、いわき市合同庁舎の担当部署に出向きました。
ここでは、利用料の領収書原本を提示し、入居後の注意事項について説明を受けます。
その後、利用居室の位置や駐車場の位置、管理人さまのお名前や住戸番号が記載された説明書を受け取ります。
最後に部屋の鍵を受取り、鍵の預かり証に必要事項を記載します。
これで指定された部屋に行けば、晴れて出入り自由となるわけです。もっとも町内会活動などは、他の住人の方々と同じ責任を負うわけですが。
初めての県営住宅訪問
合同庁舎での手続きを終えて昼食を済ませた後、私たちは湯本地区の県営団地に向かいます。
第一の目的は、管理人の方への挨拶を早々に済ませることでした。
団地の様子自体は、WEBに掲載されている写真からすると、昭和40年代から50年代によく見られた現URの団地にそっくりの外観です。
子どもの頃、同級生が住宅公団の団地に住んでいて、よく遊びに行ったこともあり、部屋の様子もだいたいの想像はついていました。
コンクリートの素材感満載の公共部分

カーナビを頼りに団地近くまで到達した私たちは、車をゆっくりと走らせながら沢山並んでいる同じ外観の建物から、私たちの部屋がある建物を探し出します。
駐車場に入り、指定の区画を発見。広すぎず狭すぎず、なにより他車の動きがほとんどないので、バックでの駐車になれていない妻でも落ち着いて車を駐車できそうです。
階段を上がると、コンクリートに直接塗装したような壁に靴音が響き渡ります。
例えにして適切かどうかの問題はありますが、タワーマンションが立ち並ぶ風景を見慣れた私たちの目からあえて強調するなら、長崎県の端島(通称軍艦島)の廃墟を想像させるような印象といえなくもありません。
階段を数階あがると、管理人さんのお部屋が見つかりました。
大きく深呼吸をして、妻に「それじゃ、いこうか」と呼び鈴を「ピンポーン」。
ところが、約1分経っても応答がありません。
「もう一回やってみる?」と再度「ピンポーン」。
やはり応答がありません。
「お留守のようだね」といったん諦め、今回は駅前のホテルに宿泊予定のこともあり、翌日、改めてご挨拶を試みることにします。
私たちがさらに階段を上がると、ありました。私たちの部屋が。
重そうな鉄扉に受け取ったばかりの鍵を差し込み、ドアを開けると、その中は…。
そこは外見からは想像できない清潔な部屋

じゃーん。
ここが当面私たちが住むことになる部屋です。
ところどころリフォームされていて、部分的には私たちがそれまで住んでいた部屋より新しく清潔です。

和室はさすがに昭和の香り。

恐る恐る窓のカーテンを開けると、片方は竹林の山のふもと。もう片方は地元の温泉施設「ゆったり館」のガラス窓がそびえたっています。


何よりイイ感じの静けさです。(当時の)自宅に帰るのがもったいないくらいの環境でした。
まとめ
「来てふくしま体験住宅提供事業」で提供される県営住宅は、決して新しくはないものの、住むには十分の環境だと思いました。
リフォームの状況などについては、各住戸ごとに違うと思われますので、全ての部屋が上の写真と同等の部屋かどうかは保証できませんが、たとえ昭和の状態そのままでも住むには困らないと思います。
さて、当日は湯本駅前のホテルに宿泊後、翌日あらためて管理人さんのもとを訪れると、無事ご挨拶させていただくことができました。
次回は、翌日朝の湯本駅周辺の様子をレポートします。
湯本駅周辺は再開発の準備も始まっているので、これらの風景がいつまで続くのか分かりませんが、おそらく観光客気分で散策できた最後の機会だと思います。
どうぞおたのしみに!