いわき市移住相談【前半】 – 移住コーディネーターが教えるいわき文化の第一歩

移住準備活動
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現地での移住相談というと、家をどうやって見つけるかどの地域が生活しやすいか?といった具体的な質問を想像するかもしれません。

実際、人それぞれが、移住に期待することや必要とする情報は異なります。

私たちも、いくつかの質問をたずさえて現地に向かいました。

結果として、私たちがいわきで最も必要としていたものが見つかりました。

それは、人とのつながりと地域コミュニティの力強さでした。

いわき市は、まさに「人つながり」と「地域コミュニティ」の先進地域であることがわかり、これが私たちにとっての大きな収穫でした。

本記事では、いわき地方への移住を検討している方はもちろん、他の地域を考えている方にとっても、移住先選びのヒントとなる情報になると思います。

ぜひ最後までお読みいただき、参考にしてくださいね。

ふたたび常磐道を北上する

2024年7月15日早朝、私たちは再びいわき市へ向けて常磐道を北上していました。

今回は、いわき担当の移住コーディネーターさんとの初対面。

より具体的なアドバイスを受けるために現地、いわきを訪問するのです。

前回いわき市を訪れた際は、湯本地区の住環境を実際に見て感じることが目的でしたが、その後は他の地域訪問はおこなっていません。

その後の情報収集で、終の棲家を一発で探し当てようとするのは博打に近い賭けだと考えるようになっていた私たちは、この時点で「二段階移住」という方法での移住をすでに決めていたのです。

一見遠回りのようなこの段階を踏むことで、終の棲家となるかもしれない移住先地域をより確実に選べるようになると考えました。

「いわき市訪問」の第1弾として湯本地区を訪れた時点では、まだ移住先の環境を探る段階でした。

しかし、今回はいわき担当の移住コーディネーターさんとの面談で、いわき市のコミュニティや地域の文化をより深く理解することが目的となっています。

常磐道を北上し、いわき中央ICを降りてから約15分、いわき市の中心街である平地区に到着しました。

目的地はいわき合同庁舎。「目的地近くです。音声案内を終了します!」というナビに戸惑っていると、いわき生まれで土地にも詳しい妻が「それそれ!その建物だよ!」と…。

こうして予定より少し早めに現地に着いた私たちは、次なるステップに向けて心を落ち着けながら、いよいよいわき担当の移住コーディネーターさんとの面談に臨む時が来たのです。

助け合いが生む地域コミュニティ いわき市の投げ銭食堂!

画像はイメージです。記事の内容とは異なります。

「ちょっと早めだけど、あと1分したら約束時刻の丁度10分前だから行こうか」などと妻と話していると、奥から出てきた白い服を着た女性が「Satoshiさんですか?」と。

これがいわき担当の移住コーディネーターさんとの初対面の瞬間となりました。

打ち合わせスペースでひととおりの挨拶を終えた後、まずはいわき市についての説明を受けました。

前回訪問時に、地区を移動するたびに次々と異なる表情を見せるこの地域独特のユニークな面に興味を持っていた私たちですが、「いわき市は、合併する前の市町村の名残りがいまでも各地区に色濃く残っており、車で10~20分移動するだけで、各地域ごとに異なる表情を見せるんです」というお話で、その理由が分かりました。

次に紹介されたのが、「いつだれKitchin」という食堂です。

木曜日の昼だけ営業するこのお店は、高齢の女性店主さんと地域のボランティアによって運営されています。

ここでは定価がなく、利用者がメニューに対して自分で適切だと思う金額を支払う「投げ銭方式」を採用しています。

地域の助け合いの精神に基づいたこのシステムは、いわき市の温かい文化を象徴するものです。

「こちらでお昼を召し上がってみてはいかがですか?」とお薦めいただきましたが、残念ながら当日は月曜日で営業日外。

それでも、このお話を聞くだけで、いわき市には今も「人つながり」と「助け合い」を大切にする文化が息づいていることを感じました。

このような場所があることで、地域の人々が気軽に集まり、自然とコミュニティが形成されているという話に、いわき市の魅力を改めて感じることができました。

いわき自慢は「常磐もの」と『igoku』 !?

いわき市の広報誌『igoku』

次に紹介されたのが、情報誌『igoku』でした。

いわき市自慢の一つといえば「常磐もの」と呼ばれる、いわき市近海で獲れる新鮮な海産物です。

特にヒラメやメヒカリといった魚介類は、地元でも人気の食材であり、訪れる人々にとっても魅力的な特産品です。

その「常磐もの」と同じくらい誇らしげに紹介されたのが、『igoku』といういわき市の広報誌です。

「動く」という意味のいわき弁「いごく」にちなんで名づけられたという、この『igoku』は、いわき市の地域課題や福祉に焦点を当てながらも、ファッション誌のような洗練されたデザインで作られています。

自治体の広報誌としては非常にユニークで、いわき市のクリエイティブな力を象徴する存在です。

この広報誌は、2019年度にグッドデザイン賞金賞を受賞し、いわき市が地域の課題に真摯に取り組んでいる点も高く評価されています。

『igoku』の制作には、地元のグラフィックデザイナーやライターが集まり、まさに地域の力を結集させたプロジェクトです。

いわき市が持つ「人つながり」と「助け合い」の文化が、この広報誌を通じて現代的に表現されています。

このような「人つながり」に関するエピソードが、私たちに向けた「いわき」の説明だったのです。

まとめ いわきエリア-そこは『人つながり』と『地域コミュニティ再生』の先進地域だった

投げ銭方式の食堂や、グッドデザイン賞を受賞した広報誌『igoku』などをはじめとして、いわき市は、私たちが期待していた以上に「人つながり」と「地域コミュニティ」を大切にする土地でした。

そしてこうした価値観こそが、私たちが移住に求めているものだったのです。

これがもし都会だったらどうでしょう?

「誰かが何か新しいことを始めたらしい」と聞いても、人々はそれを遠巻きに見るだけで、自ら手を貸そうとはしないのではないでしょうか。

これに対していわきでは、現代社会で失われつつある「お互い様」の精神が今も息づいています。

誰かが負担を押し付けられるような一方的なコミュニティではなく、助け合いながらともに成長していく、真の意味でのコミュニティがあることを強く感じました。

地域と深く関わりながら、助け合いの精神を大切にする生活を望む方にとって、いわき市は理想的な移住先となるでしょう。

私たちも、ここでの新しい生活が当初予想していた以上のものになると確信しています。

そして私たちが移住に求めていたものを的確に見極めた、いわき担当の移住コーディネーターさんの頭の切れの良さに、私たちはただただ脱帽するのでした。

次回の記事は後半として、さらに具体的な移住支援や就職支援の制度ついてお届けします。どうぞお楽しみに!

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